「リメイク」六多いくみ

〜そういえば最近行ってないなー、デパート。〜

「リメイク」(1)<全7巻>
六多いくみ/マッグガーデン(ウェブコミックマガジンEDEN)

メイクは苦手な方です。

今ひとつやり方を習得しないまま大人になってしまい、なんとなく自己流、すごく良く言えばナチュラルな感じ?

なので、今回の漫画の舞台である百貨店のコスメ売り場などは鬼門、とまではいきませんが、避けて通っている場所です。

今回の主人公は、派遣OLだった奥村かのこさん(25)。

しばらく彼氏もいないし仕事も普通で「女子力」の低下を感じていたところ、ふと寄った百貨店のコスメ売り場で出会った美容部員(通称BA)さんにメイクしてもらい少し自信が出て、彼女の優しい人柄と美しさに惹かれます。

何度かそのコーナーに通ううちに自分にもできないかと憧れ始め、ちょうどその百貨店の別のお店で募集していた美容部員に応募するまでに。

残念ながらそこにはご縁がなかったのですが、巡り合わせで憧れの彼女の所で見習いとして働けることになりました。

美容部員という職業名は聞きなれない方も多いと思います。

美容部員とはBA(ビューティーアドバイザー)とも呼ばれ、百貨店などの化粧品メーカーの店舗でメイクしたり、化粧品やスキンケアにまつわる悩みにアドバイスしてくれたりする販売員のこと、だそうです。

実は作者が元美容部員だったそうで、そのせいか、どんな職場なのか、どんなことを考えながら皆さんが働いているのかがリアルに描かれています。

さて、かのこさんですが、自分が変わりたいと思って踏み出した美容部員の道でしたが、だんだんとお客さまを綺麗に笑顔になってもらうことがやりたいことに変わっていきます。

もちろんスムーズにはいかず、少しずつですが成長していくかのこさんが逞しいです。

かのこさんの素敵なところは、今の自分はどうなのかと悩み、そしてどうにか打開する道を選ぼうと前に進んで行くところ。

何も変えようとせずにそれまでの生活を続けることもできるのに、チャレンジしてみるところ。

がんばりますと前を向く主人公の姿は見ていて気持ちが良いです。

自分のことを振り返っても25、6歳の頃って迷いが出る時期なのでしょうかね。

かのこさんより年上の人はちょっと若かりし自分を懐かしみつつ読め、若い方は未来の自分に思いを馳せ働くということが分かり、ためになるかも。

かのこさんのがんばりに勇気をもらえる漫画、オススメです。

推薦者
中村文

Nakamura aya

ギャラリーカフェオーナー

大磯のギャラリーカフェ「At GALLERY N’CAFE」オーナー。画家・イラストレーターのたかしまてつをアシスタント、DTPデザイナーなどもやってます。幻冬舎プラスで連載していた、お店をオープンするまでの連載が電子書籍『お店、はじめました。~40歳未経験のカフェオープン~』になりました。