「おじさまと猫」桜井海

おじさまと猫表紙

「おじさまと猫」(1)
桜井海/スクウェア・エニックス(ガンガンpixiv)

猫はお好きですか?

私は大好きです。

8年ほど前に猫とくらすようになってから、ですが、猫マンガも今は空前の猫ブームのせいか、たくさん出ていてなかなか全部は読めませんが、気づくと手に取ってしまいます。

猫を猫として描くか、猫の気持ちを代弁するのか、いっそ喋れる猫に、などなど、いろいろなパターンがありますが、私が好きなのは「猫も」いるマンガ、でしょうか。

猫がいるのは必然で、でも猫がメインになりすぎないお話が読みたいです。

今回は、2月22日、ニャーニャーニャーの猫の日に発売されたマンガを紹介します。

漫画家の桜井海(@sakurai_umi_)サンがツイッターで発表したものが人気となり、ついには単行本が発売された、というマンガです。

たまたま第一話からツイッターを見かけて、あれよあれよという間に書籍化が決まり…という流れを見守っていた身としては、とても嬉しい一冊なのです。

そこから作者が出されている『神とよばれた吸血鬼』という作品も知り、読みたくなり…

そう思った方がたくさんいたようで、私は電子書籍で買ってしまいましたが、既刊6巻が増刷、というのも現代ならではの嬉しい広まり方ですよね。

こちらも吸血鬼が土地神となる、というなかなか珍しい設定のファンタジーですが、イケメン吸血鬼も小さい可愛い狛犬も出てくる、優しさに包まれるような作品です。

さて、『おじさまと猫』は、ペットショップで売れ残っていた猫の「ふくまる」が、神田さんというおじさまに見初められるところから物語が始まります。

初めて猫とくらすおじさまに、猫ビギナーだった頃の自分を重ね合わせ、ビビりで泣き虫な、そしてとても愛情深いふくまるに我が家の猫たちを想い、読んでいるとなんだか泣けてきちゃう、あったかいマンガです。

ツイッターで発表した回も清書していますし、描き下ろしもあるし、単行本になってくれて良かったです。やっぱりまとめて読める単行本は良いですね。

珍しく完結していないマンガを取り上げましたが、引き続きツイッターで発表し続けてくださっているので、続きが楽しみなマンガです。

おじさま好きにも猫好きにもオススメですよ。

推薦者
中村文

Nakamura aya

ギャラリーカフェオーナー

大磯のギャラリーカフェ「At GALLERY N’CAFE」オーナー。画家・イラストレーターのたかしまてつをアシスタント、DTPデザイナーなどもしながら、趣味で愛猫ナロの姿を撮り続ける自称〈ナログラファー〉。最近増えた猫家族えんにもメロメロ。著書に、ブログ「あすナロにっき」をまとめたフォトエッセイ集『あすナロにっき』『あすナロびより』、幻冬舎の文芸誌「GINGER L。」で連載した猫エッセイ『tサンとナロ』。