「転生したらスライムだった件」川上泰樹/原作:伏瀬

〜ついに手を出してしまいました異世界モノ!〜

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「転生したらスライムだった件」(1)<既刊15巻>
川上泰樹/原作:伏瀬/講談社(シリウスKC)

異世界ファンタジー系漫画の大人気作品、「転スラ」です。
すっかり漫画の1ジャンルとして確立されている感のある異世界ファンタジーですが、

死後に異世界に転生して前世の記憶を持っているパターン、
世界を救う何者かとなるべく異世界から召喚されたパターン、
何かの拍子に開かれた扉(的なもの)で異世界を行き来するパターンなどがあります。

今回の「転スラ」は最初の現世で死んだ後に異世界に行くパターンですね。
異世界モノは、タイトルがストレートで長い物が多いです。
それでだいたいの内容が掴めるのもこのジャンルの特徴でしょうか。
なので『転生したらスライムだった件』は、主人公が(現世で死を迎え)転生してスライムになるんだなとわかったところから物語が始まります。

死ぬ間際に色々考えていたことから様々なスキルを獲得していくのも、転生時には良くあることのようですが、私はこの作品が初めて読む異世界モノだったのでとても新鮮に感じました。

多くの転生者は転生の際にチートと言われるほどのかなり良いスキルを贈られ、異世界での生活がある程度保証されたりします。
そのため異世界モノの漫画では、前世でうだつの上がらなかった者が一転して活躍し「すごい、俺最強!」となりがちだそうです。

ただ、この「転スラ」の魅力は、そういうスカッとする要素だけではないようです。
主人公リムルというスライムの人柄……(スライム柄?……前世の三上悟という人格が残っているので、人柄でいいのかも)によるものが大きいと思います。

確かにいろいろなスキルを手にして異世界に来たリムルですが、そのスキルをどうやって使うのか知恵をしぼり、出会う全ての魔物や人間とじっくり真剣に向き合うことで周りの信頼を得ていくのが読んでいて面白いのです。

頼まれると断れない性格という前世からの性格と、人間の記憶を持つ魔物(スライム)ということでどちらにもわりと偏見のないリムルの態度がとても好ましく見えます。

互いに相容れないながらに共存している魔物と人間の世界、そのどちらもに理解者を増やしながらリムルは仲間を増やし国を作り始めます。
魔物も人間も隔てなく生きていける国を。
その道のりは果てしなく遠く感じますが、リムルはひとつずつ問題を解決し少しずつ国を大きくしていってます。

原作となる小説版、それをベースとした漫画版、ともに連載中ですので、リムルの目指す国がどのようなものになるか、さまざまな困難は解決できるのか、先行きが楽しみな漫画です。
スピンオフの作品も何作か出ているようなので、そちらもチェックしようかな。

異世界デビューしたての初心者ですので、いろいろ読んでいきたいです。
オススメがあればぜひ教えてくださいね!

推薦者
中村文

Nakamura aya

ギャラリーカフェオーナー

大磯のギャラリーカフェ「At GALLERY N’CAFE」オーナー。画家・イラストレーターのたかしまてつをアシスタント、DTPデザイナーなどもやってます。幻冬舎プラスで連載していた、お店をオープンするまでの連載が電子書籍『お店、はじめました。~40歳未経験のカフェオープン~』になりました。