「あなたが私に語ること」奈知美佐子

〜こんなに自分が猫好きになるなんて思わなかったです〜

あなたが私に語ることicon

「あなたが私に語ること」(1)
奈知美佐子/少年画報社(ねこぱんちコミックス)

こちらで漫画の話を書かせていただくのが今回で22回目、

と、いうことは……ニャーニャーの回ですね!

と、こじつけてしまいまして、猫の漫画を紹介します。

猫の漫画、正確には猫の言葉が分かる人の漫画です。

猫だけでなく動物と会話できる「アニマルコミュニケーター」と

呼ばれる方がいます。テレビなどでも見ることがありますね。

そのアニマルコミュニケーター、侑川十子(ありかわとおこ)さんのお話です。

十子さんは架空の人物、ということですが、こんな方がいるなら

ぜひお願いしてウチの猫の話を聞いてほしいなぁと思っています。

以前からぜひウチの猫に聞いてみたいことがあったんですよね。

こちらの作品は、雑誌「ねこぱんち」シリーズに不定期で掲載されていた

読み切りを集めたもの。猫ごとのエピソードを紹介するものが二冊、

十子さんの子供の頃からのエピソードをまとめたものが二冊でています。

どれから読んでも良いのですが、十子さんのおじいさんとおばあさん、

くりちゃんの話(『あなたが私に語ること~猫と心通わせる少女が出会った物語(1)』に収録)が私は好きです。

言葉のわからない猫たちの想い、亡くなってしまった猫たちの想い、

さらに人間たちの想いまで、十子さんは伝えてくれます。

猫と暮らしている人も、かつて猫と暮らしていた人も、

猫たちの愛の大きさに驚き、傍にいる猫にもそれを感じることでしょう。

いなくなったコたちの愛も感じることができる気がします。

ところで、私が猫に聞きたかったことなのですが、

ウチの二匹目の猫が野良暮らしからウチにやって来たコで、

ご近所さん情報により推定15歳以上、と聞いていました。

ところが一緒に暮らすウチに、本当はもっと若いんじゃないの?

と思い、本当はいくつなのか聞いてみたかったのです。

という話をしたら「猫は1年とか時間の概念がないのでは?」と言われ、

そうか、「ボク8歳です」とか答えられても変だよね、と思いました。

そんなわけで、私の疑問は答えがもらえなそうですが、

今の家に来てしあわせかい?というのも聞いてみたいですね。

十子さんじゃないから言葉ではわからないけれど、

ソファの隣でおへそを出して寝ている姿を見れば、

ここが好きでいてくれるのは伝わってきますけれど。

でも本当におしゃべりできたら最高なのになぁ。

という、ますます猫が愛おしくなる漫画、おすすめです。

推薦者
中村文

Nakamura aya

ギャラリーカフェオーナー

大磯のギャラリーカフェ「At GALLERY N’CAFE」オーナー。画家・イラストレーターのたかしまてつをアシスタント、DTPデザイナーなどもやってます。幻冬舎プラスで連載していた、お店をオープンするまでの連載が電子書籍『お店、はじめました。~40歳未経験のカフェオープン~』になりました。